合同会社とは
皆様、合同会社を知っていますか?
聞いたことがある方も多少はおられるかと思いますが、まだまだ認知度は低めです。
有限会社はご存じだと思いますが、
その有限会社は2006年会社法施行後、有限会社法が廃止されて会社法に統合され、
設立することができなくなりました。
簡単にいえば、その有限会社が合同会社に置き代わったのです。
合同会社(LLC)は2006年5月に施行された会社法によって生まれた新しい会社形態です。
株式会社に比べまだまだ設立件数は少ないですが、年々その増加率は上がってきています。
実際のところ、2018年には総数13万社のうち2万3千社と約20%前後を占めています。
「合同会社?」
「誰かと合同で会社始めたの!」
「合同会社だと今一ピーンとこないな。やっぱり会社と言ったら株式会社でしょう」
やはり株式会社の方が認知度は高いので、一見信用度も高そうです!
そこで実例をあげますと
合同会社(LLC)にしている有名企業例
・アップルジャパン合同会社
・アマゾンジャパン合同会社
・合同会社西友
・シスコシステムズ合同会社
・ユニバーサルミュージック合同会社
・P&Gプレステージ合同会社 (旧P&Gマックスファクター)
等々
結構皆さんも知っている会社があります。
特に外資系企業の日本支社が多いです。
その理由としては、合同会社は株式会社と比較して出資への配当、つまり利益配分を自由に行うことができます。
株式会社はその持ち株の割合でしか利益配当をすることができません。
さらには経営者と所有者に区別がないため、よりスムーズな事業運営を展開できます。
このメリットは、小規模な資金でスモールカンパニー、プライベートカンパニーを考えておられる方には、合同会社をひとつの選択肢として考えることは十分に価値があります。
そしてもう一つ、その設立費用が格安なのです。
株式会社の設立にあたって必要な法定費用(役所に対して支払う費用)は、
収入印紙代:4万円 定款認証の手数料:5万円 登録免許税:15万円 (合計 24万2000円)
※電子の定款の場合には収入印紙代が不要になります。
それに対し、合同会社の設立で必要な法定費用は
収入印紙代:4万円 定款の謄本作成料:2000円 登録免許税:6万円 (合計 10万2000円)
※電子の定款の場合には収入印紙代が不要になります。
株式会社においては定款認証という手間がかかります。
定款を作成した後、公証役場で認証を受けなければならないということです。
登録免許税も半分以下です。
これに自分ではなく士業の方々(司法書士など)に依頼するとその報酬額が加わります。
さらに設立後のランニングコストとして、株式会社の場合は毎年、決算のたびに官報掲載費として最小7万円かかります。
ところが合同会社はこれが必要ありません。
合同会社ももちろん決算は行いますが、決算公告を行う義務がないからです。
※ただし定款には決算公告は「官報による」と入れます。
理由としては、必要性がある局面においてはその必要があるからです。
ただし一般的にはその局面は特殊なので、ほぼ必要ないと思います。
その局面になるころは合同会社から株式会社に転換するぐらいの会社規模に成長していると思います。
又、いきなり株式会社を設立するよりは、合同会社を設立してその後株式会社に転換した方が、法定費用は安くなります。
※ただし士業の方々(司法書士など)に依頼するとその報酬額がその分増えますが!
いかがでしょう?
壮大な夢を抱いて、費用の掛かる株式会社を設立するより、当初は少ない費用で合同会社を設立して、会社が無事に成長していったら株式会社に転換するという方法は!
まずは合同会社から!
お勧めします!
最後に余談
「会社を興したら、社長になりたい、社長と呼ばれたい!」
合同会社の代表社員となった社員の肩書きには法律上の決まりはありません。
そのため、合同会社のトップは社長を名乗ることもできます。
「社長」というのは一般名称ですので、勝手に名乗って下さい。